ストレイテナー『LINEAR』は名作なのか、あるいは迷作なのか。
外出自粛なのでヒマである。
なので軽率にブログなんか始めようと思った次第です。
今回取り上げたいのはこちら、、、
ストレイテナーが2007年3月にリリースした、メジャー4thアルバム『LINEAR』。
当時はライブバンドとしてキャリアの中でも最盛期であり、このアルバムを提げたツアーの最終公演は幕張メッセ!
という訳でどんなアルバムかというと、、、
・めっちゃ実験的
・多分イメージするロックバンドのアルバムじゃねぇ
ので、個人的に一番好きで思い入れもあるアルバムなんですけども、例えば友人に「テナーに興味を持ったからアルバム貸して!」と言われたら「絶対に勧めない」作品なんですよね。。。
当時や振り返りのインタビューを読んだ記憶だと、前作「Dear Deadman」以降は3ピースでできることの追求をしており、音のバリエーション、表現の多様化を推し進めたのが本作なのかな、と。あとホリエアツシ氏のポストロック、インディー好きが顕著に現れていたのも特徴ですね。
(ちなみにent始動は2009年。ポストロック的なアプローチはこちらに引き継がれた模様。)
曲目は以下の通り
1. 「CLARITY」
まさかの打ち込みでアルバムスタート。ちなみにひなっちが打ち込んだそうな。
当時は度肝を抜かれました。だって脂の乗ってるライブバンドの注目の一作なんだから、ギターがジャーーンってなったりドラムがドコドコした曲が来るんじゃないの???と高校生ながら思っておりました。
いや確かに前2作もイントロは静かだったけど、ちゃんと「バンドサウンド」だったじゃんかよ、、、
(なお4年後に「STOUT」で再録されたときはバッチリバンドサウンドでした。やったね!)
「これまでのテナーとは違う!」ということを象徴する、まさにオープニングに適したナンバーですね。とにかくカッコいい。ここ重要。
2. 「TRAIN」
リリース時にはなんとMステに出演!そこで知った同世代のアラサーも多いんじゃないでしょうか?
1曲目とは一転、「これがライブバンドじゃい!」というような分厚く激しい曲。というかベースがゴリゴリすぎる。
今でもライブで盛り上がること必須の、大事な一曲。
3. 「SIX DAY WONDER」
この曲をFMKのPOWER WAVE(今月の推薦曲)で聞いたときの衝撃は今でも覚えてて、ピアノの音がこんなにも主張する曲がテナーの新曲?しかもホリエがピアノ弾くの??と驚いた中3の受験期〜〜〜
そうそう、このリニアからホリエがライブでもピアノを弾くようになって、そのきっかけがこの曲と言っても過言ではないかも。
ちなみにテナーで初めてオリコンTOP10にラインクインしたのはこの曲。
あと「SOFT」でのアレンジは3拍子になったり、「PAUSE」でACIDMANがカバーするとただのACIDMANになったりと、時期と演者によってコロコロと表情を変えるのがこの曲の魅力かも。それが可能なのはメロディーの美しさが土台としてブレないからなはず。
4. 「BIRTHDAY」
はいきました名曲ーーーー!!!!!
というのも、人生で初めて行ったライブがリニアツアーの熊本DRUM Be-9公演なんですよね。そしてその1曲目がこの曲でした。あの音の破壊力、そしてモッシュで死ぬかと思ったあの瞬間。今では全てが良い思い出です。
(地元民しか通じないけど、この時のBe-9は明午橋渡った先のビルの地下一階にあったあそこです。てか今更知ったんだけどNAVAROがこのビルに移転したのマジびっくり。)
5. 「GHOST OF CHRISTMAS PAST」
あら可愛らしい曲。アルバムの箸休めのような、そして実際のライブでも息切れを整えるために必要だった曲でございます。いや決して駄曲じゃないし、むしろいい曲よ!
ただ本当にアルバムの中では異色の曲で、よくまぁ入り込んだなぁという感じ。でも「TITLE」のときもAmazing Storyあったしね。
あとは友人が高校生の頃コピバンしてて、そん時にめっちゃ演奏していた記憶。皆様お元気かしら?
6. 「BERSERKER TUNE」
出ました問題作。何故これが前作リリース後の一発目のシングルなのか。
ちなみにホリエ氏曰く、「アルバムでは2番の語り部分をアルパチーノ風に再録した。」そうな。知らんがな。
んでもってこの曲、非常にオーディエンス受けが悪かったらしく(?)「みんな乗らないからしびれを切らして四つ打ちにしてテンポあげた」のは有名な話。おっかしいなぁ、当時からブチ上がってたんだけど、、、
この時の低速バージョン、今では滅多にやってくんないけどテナマ二で久々やってくれてたりしたから、再び聞けることを夢見てライブへ行きますよ、、、!
7. 「REST」
問題作その2。暗くて冷たい曲はこれまでもあったけど、この曲の冷たさは過去一。ドラムが淡々としててとにかく冷たい。後ろでリフレインしてるフレーズや、随所に差し込まれる効果音も怪しさを引き立ててる。ポストロック的な雰囲気がグッと出てきた、まさに「LINEAR」ならではの一曲ではないでしょうか。
あと後半からグッと入ってくるピアノの重さが異質。
8. 「LIVES」
問題作その3。ていうか中盤のこのゾーン問題作続きじゃん!あとライブでやってんの聞いたことねぇぞ?
多分衝撃度でいったらダントツで1番。ホリエがラップ、、、?語り、、、?
あと地味にキーボードの主張がでけぇ。
確かこの頃にアジカンのゴッチがヒップホップに興味を示してたり、「1曲の中にメッセージをどれだけ詰め込めるか。」みたいな話をしてた気がするんだけど、そういうのが流行っていた頃なのかしら、、、?
この2曲、ライブで披露されたり言及されたりすることは少ない気がするけど「挑戦的」「実験的」な印象を強めた最たる要因ではなかろうか。ある意味このアルバムのキーとなる曲たち。
9. 「AFTER THE CALM」
んでようやくストレートな、アルバムのハイライトがやってきましたよ!
確かNHKの特番でも披露してたはず。ピアノとバンドサウンドのコントラストが素敵な、まさに名曲。
、、、と思うんだけどファンの人気はイマイチなのかな?やんまりリクエストで上位にきてるイメージないし、ライブでやってる印象も薄い。何故だ、もったいない、、、
10. 「MARCH」
ザ・名曲。優しく包み込まれるような、テナーの真の新境地でありアルバムの締めとしてこれ以上ないラスト。何度涙を誘われたことか。
新しい一面に対して、良くも悪くも驚きと戸惑いが起こりやすいこのアルバムにおいて、正統派な「進化」を見せてくれたのがこの曲ではないでしょうか。
現在ではライブ時の音も広がりが出て多幸感が増してるけど、リリース当時のライブのシンプルな音像も、それはそれで曲の良さが浮き彫りになっていたなぁ、、、
以上、とりとめもなく書いてみましたがいかがでしたか?
1曲ずつ見てくといい曲多いけど、
・実験的な要素を多分に含んだCLARITYが一曲目
・中盤の問題作ゾーンの印象強すぎ
・キーボードをフィーチャーした曲が約半数
そして何よりも
・アップテンポで乗れる曲が10曲中たったの3曲
ということが「LINEAR」が迷作、怪作呼ばわりされる原因じゃなかろうかと思います。
だってノリにノッてるライブバンドのアルバムで、拳上げるような曲が過半数割ってるって、よくよく考えたら異常事態じゃなかろうか?
ずらずら書きましたが本当にテナーにどハマりしてて、人生初のライブハウスを体感して、音楽バカに拍車がかかる原体験がこのアルバムには込められてるからやっぱり大好きなんですよねぇ。
ちなみにテナーはバンドサウンド・アンサンブル面での実験・挑戦の限りを尽くした「Immortal」を発表し、さすがに煮詰まってきた、、、?という印象からのOJ加入、そして傑作「Nexus」の誕生と話が続いていくのですが、それはまた機会がある際にでも。
それにしても初めてブログやってみましたが、ここまでで約3500文字、めっちゃ疲れた笑
大好きなブロガーの結騎 了さん(https://www.jigowatt121.com/)が「ブログは軽率に始めてみるべし!楽しいよ!」と常々仰っていたのでトライしてみたものの、、、果たして続けられるのでしょうか???